治療方法について

Effective Treatment最も有効な「CPAP」という治療法

睡眠時無呼吸症候群は、症状の程度によって治療法が異なります。

睡眠時無呼吸症候群の重症度

  • 軽症…AHIが5以上15未満
  • 中等症…AHIが15以上30未満
  • 重症…AHIが30以上

(睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン2020)

寿命改善に繋がる「CPAP治療」

CPAP治療は、寝ている間の無呼吸を防ぐために、鼻から空気を送り続けて気道を開く治療法です。鼻にマスクを装着してエアチューブから空気を送り続けることで、空気の通り道がふさがれないようにします。この治療を毎日続けることで、睡眠中の無呼吸やいびきを減らすことができます。
おもに中等症以上(AHI 20以上が我が国の保険適応)の睡眠時無呼吸症候群を対象とした治療法で、最も科学的な根拠があり、有効な治療です。

CPAP治療は、月1回の受診と、毎月4,500円程度の治療費が必要となるため、患者さんへの負担は決して軽いものではありません。また、中止してしまうと、無呼吸は元に戻るため、根本的な治療ではないとの批判の声もよく耳にします。しかし、治療を続けることで睡眠の質が改善される、日中の眠気がなくなる、集中力が上がる、高血圧、不整脈などの心臓血管系の病気のコントロールがしやすくなるなどのメリットがたくさんあります。また、長期的に見ると、治療を受けなかった人に比べて脳卒中や心筋梗塞などの発症頻度が減り、寿命が延びるという報告もあるのです。

最初の壁を乗り越えるために

睡眠時無呼吸症候群の方の多くは、鼻呼吸ではなく口呼吸で寝る習慣がついています。そのため、鼻呼吸を強制するCPAP治療に慣れるまでは3ヶ月くらいかかることがあります。CPAPによる呼吸法はあくまで、「鼻呼吸」であり、人間の本来の理想的な呼吸法を提供するものなのです。しかし、なかには、「苦しいから…」と治療を諦めてしまう方もいますが、治療を続けていれば次第に慣れてきます。家族の方も治療への理解を持ち、根気良く支えてあげてください。ただし、鼻やのどの病気が隠れていることもあり、どうしてもうまくいかないときは耳鼻咽喉科に相談するのがよいでしょう。

可能な限り毎日続けよう

CPAP治療は、出張や旅行など特別な場合のみ1週間以内であれば治療を中断することができます。しかし、効果を継続するためには可能な限り毎日治療を続けるのが望ましいです。最近では、持ち運びに便利なコンパクトなCPAPもあるので医師に相談してみると良いでしょう。

Other Treatmentsその他の治療法

睡眠時無呼吸症候群にはCPAP治療以外の治療法もあります。原因によっては、減量や手術で治る場合もあります。

  • 減量
    睡眠時無呼吸症候群の根本治療とも言えます。減量に成功するだけで睡眠時無呼吸症候群の症状がおさまるケースもあるため、優先的に行ってください。
  • マウスピース
    精密検査でAHIが5以上20未満、簡易検査でREIが15未満の、軽度な症状に適した治療法です。マウスピースを睡眠中に装着することで舌や下あごを前方に固定し、上気道を広げていびきや無呼吸を防ぎます。マウスピースの作製は歯科で行われるため、検査を受けた医療機関の検査結果と医師の紹介状が必要になります。
  • 外科的手術
    手術は睡眠時無呼吸の原因が明らかであれば非常に有効な手段です。高度肥満があれば減量手術、アデノイドや扁桃腺肥大、顎が小さいことが原因であれば耳鼻咽喉科手術で根治できる場合があります。また、2021年から保険適応となった舌下神経電気刺激療法はCPAPが継続できなくて困っている方を中心に行われている新たな選択肢となっており、専門機関へご紹介を行っております。