睡眠時無呼吸症候群の原因

Obstructive Type1.気道がふさがる「閉塞性」によるもの

多くの患者さんは、のど(上気道)がせまくなったり、ふさがったりする「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。睡眠中は筋肉がゆるむため、もともとせまい気道がさらに狭くなり、空気の通り道がふさがりやすくなります。

肥満(太っていること)

もっとも代表的な原因が「肥満」です。

  • 首まわりやあごの下に脂肪がつく
  • のどの周囲の組織が厚くなる

その結果、気道がせまくなり、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。首が太い方、体重増加後にいびきが大きくなった方は、特に注意が必要です。

あごが小さい・顔の骨格

やせていても、あごが小さい・下あごが後ろに引っこんでいるといった骨格のために、もともと気道がせまい方がいらっしゃいます。

  • 下あごが小さいと舌の位置が後ろに下がりやすい
  • 舌がのど側へ落ち込み、気道をふさぎやすい

このような骨格の特徴は、睡眠時無呼吸症候群の大きな要因になります。

扁桃肥大・アデノイドなど

のどの中の構造も原因になります。

  • 扁桃腺(へんとうせん)が大きい
  • アデノイド(鼻の奥のリンパ組織)が大きい

特にお子さんでは、扁桃肥大やアデノイド肥大が、いびきや無呼吸の主な原因になっていることがあります。大人でも扁桃腺が大きい方は、睡眠中に気道がせまくなりやすくなります。

Lifestyle Factors2. 生活習慣・環境による原因

飲酒(お酒)

寝る前のお酒は、眠りやすく感じても、睡眠時無呼吸を悪化させる要因です。

  • アルコールがのどや舌の筋肉をゆるめる
  • 気道がつぶれやすくなり、いびきや無呼吸が増える

もともといびきがある方は、飲酒後に症状が強くなることが多いため、寝酒の習慣には注意が必要です。

睡眠薬・安定剤

一部の睡眠薬や安定剤には、筋肉をゆるめたり呼吸を弱くしたりする作用があります。

  • 服用を始めてからいびきが悪化
  • 日中の眠気が強くなった

といった場合は、薬の影響とともに睡眠時無呼吸が隠れている可能性があります。自己判断で中止せず、必ず医師にご相談ください。

喫煙(たばこ)

たばこは、のどや気道の粘膜に炎症を起こし、むくみを生じさせます。その結果、気道がせまくなり、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。禁煙により、いびきや睡眠の質が改善する方も少なくありません。

寝る姿勢

仰向けで寝ると、舌が重力でのど側へ落ち込みやすく、気道がせまくなります

  • 仰向け寝:舌が気道をふさぎやすい
  • 横向き寝:気道が保たれやすい

横向きで寝ることで、いびきや無呼吸が軽くなる方もいます。

Nasal Issues3. 鼻づまり・アレルギー性鼻炎との関係

慢性的な鼻づまり

  • アレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎(ちくのう症)
  • 鼻中隔湾曲症(鼻の中のしきりが曲がっている状態)

これらで鼻づまりが続くと、口呼吸になりやすく、のどが乾燥し、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。鼻でしっかり息ができることは、良い睡眠にとってとても重要です。

花粉症など季節性の鼻炎

花粉症などで特定の季節だけ鼻づまりが強くなる方は、その時期にいびきや朝のだるさが目立つことがあります。鼻の治療により、睡眠の質が改善する可能性があります。

Age & Gender4. 年齢・性別・体質の影響

  • 男性は、首や上半身に脂肪がつきやすく、睡眠時無呼吸症候群が多い傾向があります。
  • 女性は、女性ホルモンが筋肉の緊張を高めることで睡眠時無呼吸になりにくい傾向がありますが、更年期以降では女性ホルモンの減少によりリスクが高まります。
  • 加齢に伴い、のどまわりの筋力が低下し、気道を支える力が弱くなることも原因の一つです。

Central Type5. 中枢性睡眠時無呼吸

一部には、のどがふさがるのではなく、脳から呼吸への指令が出にくくなる「中枢性睡眠時無呼吸」もあります。

  • 心不全など心臓の病気
  • 脳卒中後など脳の障害
  • 特定の薬の影響

などが原因となることがあり、このタイプでは循環器内科や脳神経内科との連携が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、肥満だけでなく、のどや鼻の構造、生活習慣、年齢やホルモンなど、さまざまな要素が重なって生じます。放置すると生活の質が下がるだけでなく、高血圧や心臓・脳の病気のリスクも高まります。
いびきや日中の眠気が気になる方は、「よくあること」と軽く考えず、早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。当院では、原因を丁寧に調べ、お一人おひとりに合った治療方法をご提案いたします。