HAY FEVER花粉症
どんな病気？
人間には、もともと自分（自己）と自分ではないもの（非自己）を区別するシステムが備わっています。
そして自分ではないものを体の外に追い出して自分自身を守ろうとしているのですが、この非自己に対する反応が過剰になってしまったのが、「アレルギー」です。
すなわち、花粉という異物を体の外に追い出そうと過剰に反応し、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「涙」といった症状になるのです。
花粉症と睡眠障害？
花粉症の方は飛散時期になると、なんとなく、眠くてだるくて、仕事や勉強にやる気が出ないということを経験されたことはありませんか？
近年、アレルギー性鼻炎が睡眠の質を低下させ、日中のパフォーマンスに影響を及ぼすことが言われています。
そこで、Quality Of Life（生活の質）を向上させるという観点からもこの病気の治療に取り組んでいく必要があります。
診断は？
花粉飛散時の症状の有無と鼻粘膜の観察所見、血液中にある花粉に対する抗体の存在などによって診断を行います。
しかし、季節的に風邪の流行の時期に重なることや、他に慢性副鼻腔炎（ちくのう症）も紛らわしい病気ですのでときにレントゲン検査を行うことも必要になります。
治療は？
治療法は、抗アレルギー薬、点眼薬、点鼻薬といった薬物療法が主体です。
また、重症例では、手術治療を行う場合もあります（現在、当院では手術治療は実施しておりません）。
薬の選択の際は、治療ガイドラインをベースとして、効果を考慮しつつ、各患者さんのライフスタイルに合わせたものをいっしょに考えていきます。
SUBLINGUAL IMMUNOTHERAPY舌下免疫療法
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、スギ花粉やダニ抗原を原料としたエキスを舌の下から服用することにより、スギ花粉やダニ抗原によるアレルギー症状を和らげる治療方法です。
治療期間が長期（3～5年）かかりますが、スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本的に治すことができる唯一の治療法です。
対象となる方
- スギ花粉症患者さん（成人及び5歳以上の小児）
※採血によるスギ特異的IgE抗体陽性の方 - ダニアレルギー患者さん（成人及び5歳以上の小児）
※採血によるダニ特異的IgE抗体陽性の方
※治療前に確定診断が必要です。
治療を受けることが出来ない方
- 重症気管支喘息の方
- ご高齢の方（65歳以上）
- 妊娠中・授乳中の方
- 非選択的β遮断薬内服中の方
- ステロイド内服中の方
- 悪性腫瘍・自己免疫疾患・免疫不全の方
- 引越の予定が決まっている方
舌下免疫療法がおすすめの方
- 根本的にスギ花粉症やダニアレルギーを治したい方
抗アレルギー薬やレーザー手術などは治療効果がありますが、その効果がずっと続くわけではありません。そこで、根本的に体質を変えて、症状を和らげたいとお考えの方におすすめです。 - 薬を減らしたい・止めたい
毎年、何ヶ月も抗アレルギー薬を飲み続けることに抵抗がある方は治療法の1つとしてご検討ください。 - 月に1回来院可能な方
舌下免疫療法は定期的な通院が必要です。
月1回の受診が必要となります。
治療開始時期
- スギ花粉症患者さん（成人及び5歳以上の小児）
花粉の飛散時期（1月～5月）は、治療の開始ができません。
6月～12月にご相談ください。 - ダニアレルギー患者さん（成人及び5歳以上の小児）
季節問わず、いつでも開始できます。
舌下免疫療法を希望する方へ
必須項目は以下の3つです。
- 血液採取によるアレルギー検査
- 舌下免疫療法の動画の視聴
- 同意書へのサイン
があります。